プログラム
特別企画
「今こそp53の意義を問う」
- 座長
- 小田 義直（九州大学形態機能病理教授／九州大学病院病理診断科・病理部）
- 田仲 和宏（大分大学医学部先進医療科学科）
- 講師
- A Precision Oncology Strategy Targeting p53 Deficiency Through
Synthetic Lethality in Osteosarcoma and Other Malignancies - 岩熊 智雄（Professor and Director of Translational Hematology Oncology Research, Children's Mercy Research Institute）
- Prevalence and spectrum of p53 mutation in sarcoma
- 戸口田 淳也（京都大学iPS細胞研究所）
シンポジウム
シンポジウム 1
「脊椎悪性腫瘍治療の最前線-脊椎外科医とのコラボレーション」
本シンポジウムの目的は、脊椎腫瘍治療における学際的連携の重要性を再認識し、骨軟部腫瘍医および脊椎外科医の協働体制の構築を促進することである。脊椎腫瘍は、大血管や神経組織の近接、複雑な解剖構造により根治的切除が困難であり、両者の専門的知見の融合が不可欠である。しかし現状では、骨軟部腫瘍医が脊椎腫瘍に対して苦手意識を持ち、脊椎外科医も腫瘍学的知識が十分とはいえない。さらに、胸壁や腹腔内への腫瘍浸潤例では呼吸器外科や消化器外科との連携も必要であり、多職種連携の具体的なモデル提示が求められる。また、骨巨細胞腫に対するデノスマブ療法や重粒子線治療など新規治療法の適応と限界についても議論を深める。本企画が有意義な議論の場となり、今後の診療連携の礎となることを期待する。
- 座長
- 西田 康太郎（琉球大学 整形外科）
- 播广谷 勝三（九州大学病院別府病院 整形外科）
- 演者
- 松本 嘉寛（福島県立医科大学 整形外科）
- 西田 康太郎（琉球大学 整形外科）
- 加藤 仁志（金沢大学 整形外科）
- 鈴木 亨暢（大阪公立大学大学院医学研究科 整形外科）
- 中村 英一郎（産業医科大学病院 脊椎脊髄センター）
シンポジウム 2
「肉腫手術の標準化は可能かー重要臓器に隣接する肉腫に対する戦略ー」
頭頸部や後腹膜など重要臓器に浸潤しやすい領域で、不可能を可能にするような高度な手術が必要な一方、切除可能、不可能の判断や、合併切除、剥離操作の標準化も重要と考えられる。本シンポジウムでは、肉腫が重要臓器、特に骨、主要血管、主要神経、腎、腸等に隣接した場合の手術手技の標準化が可能かについて考察する。
- 座長
- 平賀 博明（NHO北海道がんセンター）
- 筑紫 聡（愛知県がんセンター 整形外科）
- 演者
- 植野 映子（がん研究会有明病院 画像診断部）
- 加藤 生真（静岡県立静岡がんセンター 病理診断科）
- 近藤 喜太（岡山大学学術研究院医療開発領域 消化器外科学）
- 前嶋 愛子（国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科／泌尿器・後腹膜腫瘍科）
- 船内 雄生（東京科学大学 整形外科）
シンポジウム 3
「Minimum invasive surgery時代における後腹膜肉腫に対するmaximum invasive surgeryの技術教育を考える」
ロボット手術が普及し、外科治療は全体的にMinimum invasive surgery全盛期に入っている。一方で、後腹膜肉腫（骨盤内肉腫を含む）に対する外科治療は周囲臓器の合併切除や巨大腫瘍に対してスペースのない中での開腹手術が必要であり、maximum invasive surgeryが治療成績向上に必須である。maximum invasive surgeryを実践するには、消化器管外科、肝胆膵外科、泌尿器外科、産婦人科、循環器外科、整形外科等、複数領域のエキスパートがチームを組んだ手術体制が必要である。本シンポジウムでは各領域からのエキスパートに参加していただき、各診療科でminimum invasive surgery（Min-IS）と後腹膜肉腫に対するmaximum invasive surgery（Max-IS）がどのように住み分けされているのか、両者の技術継承をどのように行っているのかを議論したい。
- 座長
- 横山 幸浩（名古屋大学 消化器・腫瘍外科）
- 西山 博之（筑波大学 腎泌尿器外科）
- 演者
- 藪野 彰（埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科）
- 尾原 秀明（慶應義塾大学 外科）
- 砂川 真輝（名古屋大学 消化器・腫瘍外科）
- 小野 嘉大（がん研究会有明病院 消化器センター 肝・胆・膵外科）
- 松本 隆児（北海道大学病院 泌尿器科）
シンポジウム 4
「肉腫の病理診断、ゲノム異常と薬物療法」
骨軟部腫瘍には様々な種類があり、病理診断に応じて治療が選択されている。近年では、病理組織型に特徴的な遺伝子異常が次々に明らかになり、さらにそうした知見に基いて薬物療法が開発され選択されるような状況も進みつつある。この学術集会では、胞巣状軟部肉腫(alveolar soft part sarcoma) とPEComa（perivascular epithelioid cell tumor）という二つの組織型をとりあげ、それぞれの臨床的・病理学的特徴を学ぶとともに、それぞれの腫瘍を特徴づける遺伝子異常や、それに関連した最新の治療開発についても紹介する。
- 座長
- 吉田 朗彦（国立がん研究センター中央病院 病理診断科）
- 内藤 陽一（国立がん研究センター東病院 総合内科）
- 演者
- 加藤 生真（静岡県立静岡がんセンター 病理診断科）
- 下井 辰徳（国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科）
- 山元 英崇（岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学(腫瘍病理)）
- 出淵 雄哉（公立丹南病院 整形外科）
シンポジウム 5
「肉腫のバイオマーカー探索研究を本気で考える」
JCOG骨軟部腫瘍グループ、JESS、JRSGはいずれも希少がんを対象としており、症例集積に難渋する一方、新規薬剤の不足により治療開発自体が進まないという共通の課題に直面している。他がん種で治療パラダイムを変えてきた分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬のような画期的新薬が出現しておらず、いまだに既存の抗がん剤の用量・用法の工夫による治療開発が主流である。
この状況を打破するには、新たなバイオマーカー探索とそれに基づく標的治療の開発が重要な鍵となる。本シンポジウムでは、それぞれの治療グループにおける試料解析研究とバイオマーカー開発の現状と展望について明らかにし、バイオマーカー探索に必要な解析技術についても俯瞰することで、肉腫に対する新規バイオマーカー開発に本気で取り組む時に、我々は今後どのように進むべきかを議論する。
- 座長
- 尾﨑 敏文（岡山大学 整形外科）
- 木下 義晶（新潟大学 小児外科）
- 演者
- 中谷 文彦（国立がん研究センター東病院 骨軟部腫瘍科）
- 田尾 佳代子（国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科）
- 宮地 充（京都府立医科大学 小児科）
- 松田 浩（東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 クリニカルシークエンス分野）
- 足立 淳（国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬デザイン研究センター）
シンポジウム 6
「肉腫に対する薬物療法の未来」
肉腫に対するがん薬物療法は、いまだにアンスラサイクリン系を中心とした細胞障害性抗がん薬による治療法が中心である。一方、一部の組織型・分子型の肉腫では、新たなバイオマーカーや分子標的薬の開発が近年徐々になされている。免疫チェックポイント阻害薬やその他の免疫療法が有効な肉腫も存在する。新たなバイオマーカー探索、分子標的薬の開発状況について、CAR-Tも含め最新のトピックを議論する。
- 座長
- 高橋 雅信（山形大学大学院医学系研究科 臨床腫瘍学分野）
- 石原 幹也（大阪国際がんセンター 腫瘍内科）
- 演者
- 岩田 慎太郎（国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 近藤 格（国立がん研究センター 希少がん研究分野）
- 米盛 勧（国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科）
- 永野 聡（鹿児島大学医学部保健学科 臨床理学療法学）
- 柳生 茂希（信州大学 学術研究・産学官連携推進機構）
- Lu Xie（Musculoskeletal Tumor Center, Peking University People's Hospital, Beijing, China）
シンポジウム 7
「肉腫に対する放射線治療の現状と未来」
肉腫は希少かつ多様性に富み、治療法の選択が困難であるが、放射線治療は局所制御と機能温存を両立し得る重要な選択肢である。重粒子線治療は、高LETにより放射線抵抗性を有する肉腫にも高い生物学的効果を示し、現在ではマルチイオン照射（例：炭素＋酸素）を用いたさらなる治療効果の向上が模索されている。一方、陽子線治療は優れた線量集中性を活かしつつ、近年ではFLASH照射による正常組織の毒性軽減や、Proton Arc照射による線量均一性とカバレッジの向上が注目されている。これら粒子線治療の進歩に対し、IMRTも技術的洗練が進み、複雑な形状をもつ肉腫への対応力を高めている。さらに、重粒子線・陽子線・IMRT間での線量分布、生物学的効果、有害事象に関する比較研究が蓄積されつつあり、エビデンスに基づいた適応の最適化が求められる。今後は各モダリティの長所を生かした治療戦略の個別化と統合が、肉腫治療の鍵となるであろう。
- 座長
- 今井 礼子（量子科学技術研究開発機構 QST病院 治療診断部）
- 出水 祐介（神戸陽子線センター 放射線治療科）
- 演者
- 松延 亮（九州国際重粒子線がん治療センター 放射線科）
- 岩田 宏満（名古屋市立大学医学附属西部医療センター 陽子線治療科）
- 別所 良祐（神戸陽子線センター 放射線治療科）
Multi-disciplinary Case Conference
集学的治療を要した患者について、診断から治療に至る思考過程を学ぶことで明日からの診療に有益な情報を共有する。
- 座長
- 西田 佳弘（名古屋大学医学部附属病院 リハビリテーション科）
- 南 博信（神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科）
- 演者
- 矢野 智之（がん研究会有明病院 形成外科）
- 金原 史朗（神戸大学医学部附属病院 腫瘍・血液内科）
- 内田 恵理子（国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科）
Patient Advocacy Program
「話してみよう／患者の困りごと、医療者の困りごと」
近年、医療者と患者（会）との意見交換の機会が増加する中で、患者側だけでなく医療者側にも、臨床試験や医療経済をはじめとする治療・研究推進上の様々な困難が存在することが明らかになっています。本企画では、患者および医療者双方から実体験に基づく具体的な困りごとを提示していただきます。その後、登壇者と会場によるディスカッションを通じて相互理解を深め、より良い治療や研究へつながる具体的な示唆や解決の糸口を探ることを目的とします。
- 座長
- 志村 敬彬（肉腫（サルコーマ）の会たんぽぽ）
- 朴木 寛弥（奈良県立医科大学 整形外科）
- 演者
- 横山 幸浩（名古屋大学 消化器・腫瘍外科）
- 土橋 賢司（九州大学病院 血液・腫瘍・心血管内科）
- 吉﨑 有希絵（肉腫（サルコーマ）の会たんぽぽ）
- 南 敬一（肉腫（サルコーマ）の会たんぽぽ）
- 指定論者
- 押田 輝美（肉腫（サルコーマ）の会たんぽぽ）
教育講演
①診断、②局所治療、③全身治療、④部位別治療の4つの領域について、基礎的事項から最新の知見まで網羅し、肉腫の全体像が俯瞰できる講演内容とする。
教育講演 1
「診断」
- 座長
- 安藤 雄一（名古屋大学医学部附属病院）
- 演者
- 山口 岳彦（獨協医科大学日光医療センター 病理診断科）
- 三宅 基隆（国立がん研究センター中央病院 放射線診断科）
教育講演 2
「局所治療」
- 座長
- 浦川 浩（名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部）
- 演者
- 生越 章（新潟大学地域教育センター魚沼基幹病院）
- 角 美奈子（東京都健康長寿医療センター 放射線治療科）
教育講演 3
「全身治療」
- 座長
- 近藤 千晶（名古屋大学医学部附属病院）
- 演者
- 高橋 雅信（山形大学大学院医学系研究科 臨床腫瘍学分野）
- 小川 淳（新潟県立がんセンター新潟病院 小児思春期・血液腫瘍科）
教育講演 4
「部位別治療」
- 座長
- 前田 修（名古屋大学医学部附属病院 化学療法部）
- 演者
- 岩田 慎太郎（国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 森岡 秀夫（国立病院機構東京医療センター）
一般演題（口演）
一般演題（ポスター）
モーニングセミナー
3月6日（金） 8:00～9:00 第2会場（3F 国際会議場）
共催：Belpharma s.a.
- 座長
- 岩田 慎太郎（国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 演者
- Isolated limb perfusion: introducing an established treatment option for Soft Tissue Sarcoma (STS) to Japan
- Winan van Houdt（Netherlands Cancer Institute / Antoni van Leeuwenhoek Hospital, Amsterdam, The Netherlands）
ランチョンセミナー
ランチョンセミナー 1
「サルコーマにおける病理診断と薬物治療」
3月5日（木） 12:15～13:15 第1会場（2F レセプションホール）
共催：バイエル薬品株式会社
- 座長
- 小林 英介（国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 演者
- 肉腫新時代 遺伝子異常から考える病理診断とその課題
- 孝橋 賢一（大阪公立大学大学院医学研究科 診断病理・ 病理病態学）
- 本邦の肉腫におけるゲノム医療の進展とラロトレクチニブの最新知見
- 小林 寛（東京大学医学部附属病院 整形外科）
ランチョンセミナー 2
3月5日（木） 12:15～13:15 第2会場（3F 国際会議場）
共催：アレクシオンファーマ合同会社
- 座長
- 松本 嘉寛（福島県立医科大学 整形外科学講座）
- 演者
- 神経線維腫症I型による叢状神経線維腫のマネジメント
－薬物療法と手術適応の見極め－ - 中山 ロバート（慶應義塾大学医学部 整形外科学教室）
ランチョンセミナー 3
3月5日（木） 12:15～13:15 第3会場（3F 小会議室31）
共催：大鵬薬品工業株式会社
- 座長
- 川井 章（国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 演者
- 進行再発悪性軟部腫瘍に対する治療戦略
- 内藤 陽一（国立がん研究センター東病院 総合内科）
ランチョンセミナー 4
「サルコーマ治療の現在地と未来地図 ～ウイルス療法の可能性を探る～」
3月6日（金） 12:30～13:30 第1会場（2F レセプションホール）
共催：サーブ・バイオファーマ株式会社
- 座長
- 川井 章（国立がん研究センター 中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 演者
- 難治性悪性骨腫瘍に対する局所療法の進歩
- 岩田 慎太郎（国立がん研究センター 中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科）
- 腫瘍溶解性ウイルス療法の現状と展望
- 小戝 健一郎（鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野）
- Surv.m-CRA-1を用いた悪性骨・軟部腫瘍に対する医師主導治験
- 永野 聡（鹿児島大学 医学部保健学科 理学療法学専攻 臨床理学療法学）
ランチョンセミナー 5
「悪性軟部腫瘍における個別化医療」
3月6日（金） 12:30～13:30 第2会場（3F 国際会議場）
共催：中外製薬株式会社
- 座長
- 竹中 聡（大阪国際がんセンター 整形外科(骨軟部腫瘍科)）
- 演者
- 30分で理解する！NTRK融合遺伝子陽性腫瘍の基礎と最新知見
- 小林 寛（東京大学医学部附属病院 整形外科）
- 30分で丸わかり！ 胞巣状軟部肉腫における個別化医療
― 最新の知見と治療戦略アップデート ― - 遠藤 誠（九州大学病院 整形外科）
ランチョンセミナー 6
3月6日（金） 12:30～13:30 第3会場（3F 小会議室31）
共催：日本ストライカー株式会社
- 座長
- 平岡 弘二（久留米大学）
- 演者
- メガプロステーシスの有用性と長期管理の課題
- 生田 国大（名古屋大学医学部附属病院整形外科）
スイーツセミナー
スイーツセミナー 1
「がん遺伝子パネル検査」
3月5日（木） 14:55～15:55 第3会場（3F 小会議室31）
共催：株式会社GenMine Labs
- 座長
- 片桐 浩久（静岡県立静岡がんセンター 整形外科）
- 演者
- 当院におけるサルコーマ病理診断の現状
- 吉田 研一（大阪国際がんセンター 病理・細胞診断科）
- 病理診断の困難さをふまえた肉腫専門施設としての取り組み
- 竹中 聡（大阪国際がんセンター 整形外科（骨軟部腫瘍科））
スイーツセミナー 2
3月6日（金） 14:15～15:15 第3会場（3F 小会議室31）
共催：ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
- 座長
- 松本 嘉寛（福島県立医科大学）
- 演者
- 原発性・転移性脊椎腫瘍に対する外科的治療戦略
― 根治性と安全性を両立するための手技的工夫 ― - 宮﨑 正志（大分大学医学部整形外科）
イブニングセミナー
3月5日（木） 16:05～17:05 第2会場（3F 国際会議場）
共催：大原薬品工業株式会社
- 座長
- 古賀 友紀（九州がんセンター 小児・思春期腫瘍科）
- 演者
- ⼤量メトトレキサート療法の恩恵を最⼤化するために
―グルカルピダーゼ時代の新たな排泄遅延管理― - 岡田 恵子（大阪市立総合医療センター 小児血液・腫瘍内科）